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社内SEは事業会社において自社のシステム・インフラの開発・運用をする仕事です。
近年、ビジネスにおいてITはなくてはならないものになり、そのIT機能をつかさどる情報システム部門は企業の成長には欠かせない組織であり、その組織では働く「社内SE」は必要な人材となります。
そんな存在感が増す「社内SE」ですが、「きつい」と言われることも少なくありません。
本記事では、「なぜ、社内SEが『きつい』と言われるのか?」、「社内SEの魅力」、「社内SEに向いている人、向いていない人」について紹介していきます。
社内SEの仕事内容とシステムインテグレーターなどのSEとの違い
まずはじめに情報システム部門で働く「社内SE」の仕事内容と、その「社内SE」とシステムインテグレータ(SIer)で働く「SE」の違いについて説明します。
社内SEの仕事内容
以前、「情シスとは何か?~役割と求められる能力について解説~」でも記載しましたが、
情シス部門で働く社内SEの仕事は、(企業により異なるところはあるかもしれませんが)「ITの戦略策定」、「システム導入企画~マネジメント」、「IT戦略の評価」、「既存システムの運用・保守」、「IT基盤の維持管理」、「ITセキュリティ対応」、「システム監査の対応」、「ITに関する社内の問合せ対応」の9つになります。
IPAで定義された業務の詳細を知りたい方は、少し古いですがUISSガイドブックを参照するとわかりやすいです。
システムインテグレーター(SIer)等に所属するSEとの違い
社内SEが自社のシステムに関する9つの業務を行うことに対して、SIerに所属するSEはプロジェクト単位でシステム開発を行うことがメインとなります。この点が、社内SEとSIerのSEとの違いになります。
「社内SEはやめとけ」と言われる理由
「社内SEは楽」といったイメージがあるかもしれませんが、実際は業務内容が多岐にわたり、さまざまな能力が求められる仕事です。ここでは、社内SEが「きつい」「やめとけ」と言われる理由を5つ紹介します。
- 仕事の幅が広い
- マルチタスクが求められる
- ITだけでなく事業の知識、理解も求められる
- 社内の幅広い関係者との調整が必要となる
- 成果が見えづらい
仕事の幅が広い
一般的なSEは一つのプロジェクトに所属しシステムの設計・開発に注力できるのに対し、社内SEはシステム関連以外にもヘルプデスクや社内インフラの整備など幅広い業務に携わります。
マルチタスクが求められる
9つの業務領域を並行で進めながら、社内の各事象のシステム導入に顔を出す必要があるため、一つのプロジェクトに注力ではなく、常にいくつかのプロジェクトを並行して回す必要があり、マルチでタスクを進めることが求められます。
ITだけでなく事業の知識理解も必要となる
上流工程から携わるため、システム企画、要件定義の際には、課題整理やソリューション決定するために、事業の理解が求められます。
社内の幅広い関係者との調整が必要となる
社内のシステムはいろいろな部署で利用されているため、基幹システムの導入プロジェクトの際などには、様々なステークホルダーが関わるため、幅広い調整が求められます。
成果が見えづらい
幅広い能力を求められる一方で、営業などと違い、バックオフィスに位置づけられるため数字の成果が見えずらいため、評価がされにくいといった課題があります。
「社内SEはやめとけ」は本当?働く魅力について
SEが大変だというイメージがついてしまったかもしれませんが、では、本当に「やめておけ」ということになるのでしょうか?
筆者自身、社内SEで働いていてメリットに感じたこともあるので記載します。
- 事業会社に居ながらテクノロジーに触れられる機会が多い
- 事業の中身を理解できる
- ビジネス/ITの目線でIT導入の目的と費用対効果、全体計画を考える癖がつく
- コミュニケーションが苦でなくなる
事業会社に居ながら様々なテクノロジーに触れられる機会が多い
自社のシステム全体を見ることから、システムからインフラまで係ることができます。その結果、それぞれのIT領域のテクノロジーに触れられる機会が多くなります。
事業の中身を理解できる
社内折衝、システム開発を通じて、会社の業務全体を把握する事が出来き、システムを担当しながら業務知識、業界知識に精通していく事が出来きます。その結果、将来のキャリアとして、SE以外の職域も考える事も出来るようになります。
ビジネス/ITの目線でIT導入の目的と費用対効果、全体計画を考える癖がつく
経営方針や事業戦略をシステム戦略に反映させる企画力・提案力が求められるため、導入開始時に目的とその効果、どうやって進めるのかといった全体を俯瞰して考える癖がつきます。
コミュニケーションが苦でなくなる
仕事が上手くいくかどうかはコミュニケーションの取り方にかかっている事が分かるようになり、結果として、ステークホルダーとのコミュニケーションが苦でなくなりました。
社内SEは影のようなイメージがつきやすいですが、中身をみると情シスの業務を通して会社/業界を問わずで役に立つスキル(ポータブルスキル)が身につきます。
このポータブルスキルが身につくことが社内SEの魅力だと思います。
尚、ポータブルスキルに関しては厚生労働省の“ポータブルスキル”活用研修をご参照ください。
社内SEに「向いている人」、「向いていない人」
社内SEに向いている人
筆者が思う社内SEに向いている人の特徴は3つあります。
- マルチタスクが苦でない
- 関係者とコミュニケーションが苦でない
- 事業とITに興味ある
マルチタスクが苦でない人
社内SEは複数の業務を同時にこなすことも多いため、マルチタスクが求められます。なので、マルチタスクが苦でない人が社内SEに向いていると思います。
関係者とコミュニケーションが苦でない
ユーザーのニーズを把握するためにも、社内関係者、ベンダーとのコミュニケーションが必須となります。そのため、相手の話を聞き、理解しこちらの考えを伝えるといったコミュニケーションが苦でない人は向いていると思います。
ユーザーのニーズを把握するためにも、社内関係者、ベンダーとのコミュニケーションが必須となります。そのため、相手の話を聞き、理解しこちらの考えを伝えるといったコミュニケーションが苦でない人は向いていると思います。
事業とITに興味ある人
社内SEは事業とITの架け橋になることが多いため、ITと事業にそれぞれ興味を持てる人が向いていると思います。
社内SEに向いていない人
筆者が思う社内SEに向いていない人の特徴は2つあります。
- ITだけを極めたいという人
- コミュニケーションが苦な人
ITだけを極めたいという人
「事業とITに興味ある人」の裏返しになってしまいますが、社内SEは事業とITの架け橋になるため、ITだけをやりたいといった人にはストレスになるためオススメできません。
コミュニケーションが苦な人
こちらも裏返しになってしまいますが、さまざまな部署の人たちと協力しながら進めていくことが多いため、人とのコミュニケーションが苦になってしまう人にはオススメできません。
まとめ
本記事では、「なぜ、社内SEが『きつい』と言われるのか?」、「社内SEの魅力」、「社内SEに向いている人、向いていない人」について紹介してきました。
社内SEは「きつい」と呼ばれるところがあるのは事実である一方で、ポータブルスキルが身につくなど魅力が大きい点もあります。
社内SEにチャレンジしようか迷われている方は、本記事の内容を参考にキャリアをご検討いただけると幸いです。
最後に
情シスのキャリアの記事もありますので、もしご興味あればご参照ください。
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