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SIerやSESなどでエンジニアとして働いていて、
「事業会社の情シス・社内SEへ転職したい」
「情シスに興味はあるけれど、自分の経験で転職できるのだろうか」
と考えている方もいるのではないでしょうか。
私自身、1社目は事業会社の情報システム部門、2社目はコンサルティングファーム、3社目は再び事業会社の情報システム部門というキャリアを歩んできました。
現在までに情報システム部門の人員採用にも携わってきたため、この記事ではそうした実体験も踏まえて、
- 情シスへの転職は難しいのか
- 情シスで求められるスキル
- SIerやSESでの経験をどう生かせるのか
- 面接では何を見られるのか
- 転職に向けてどう準備すればよいのか
について解説します。
「情シスとはどのような仕事なのか」から知りたい方は、こちらの記事も参考にしてください。
情シスへの転職って難しい?

結論からいうと、情シスへの転職機会はありますが、「IT経験があれば簡単に転職できる」というわけではありません。
2026年の転職市場を見ると、その傾向がよく分かります。
dodaが2026年6月に公表した「ITエンジニア中途採用マーケットレポート」によると、2026年3月~5月の社内SE登録者数は、前3カ月と比較して112%に増加しています。
一方、社内SEの求人数は前3カ月比で89%となっており、この期間については減少傾向です。
そのため、以前のように「社内SEの求人が増えているから転職しやすい」と単純に考えるのは適切ではありません。
また、社内SEとしてdodaに登録した人の希望職種を見ると、73%が社内SEを希望しています。実際の入社決定職種でも、62%が社内SEとなっています。
つまり、社内SEは経験者からも転職先として選ばれている職種であり、一定の競争があると考えておいた方がよいでしょう。
SIerやSESから情シスへ転職することは可能?

もちろん可能です。
実際、dodaの同レポートを見ると、業務系SE/PGとして登録した人の22%が社内SEを希望し、入社決定職種でも31%が社内SEとなっています。
サーバエンジニアについても、希望職種の20%、入社決定職種の29%が社内SEです。
つまり、SIerやSES、インフラエンジニアなどで培った経験を生かして、事業会社の情シスへキャリアチェンジするルートは実際に存在します。
ただし、ここで一つ注意したいことがあります。
SIerと事業会社の情シスでは、ITに対する立場が少し違います。
SIerでは、システムの設計・開発・運用など、ITサービスを提供することそのものが仕事になります。
一方、事業会社の情シスでは、ITはあくまで事業を良くするための手段です。
この違いを理解しているかどうかは、転職活動でも重要になります。
情シスへの就職希望者へ求めるスキルと能力

では、情シスへ転職するためには、どのようなスキルが必要なのでしょうか。
企業や求人によって仕事内容は大きく異なりますが、実際の情シス業務を考えると、大きく次のような領域があります。
1.IT企画・上流工程
情シスでは、
- IT戦略の策定
- システム企画
- 要件整理
- プロジェクトマネジメント
などの上流工程を担当することがあります。
SIerでPMやPL、要件定義などを経験している場合は、その経験を生かしやすい領域です。
2.ベンダーマネジメント
すべてのシステムを自社で開発・運用している企業は多くありません。
SIer、クラウド事業者、SaaSベンダーなど、さまざまな外部企業と協力しながらIT環境を構築します。
そのため、
「自分で技術的な作業ができること」だけでなく、「外部の専門家を使ってプロジェクトを前に進める能力」
も重要になります。
3.クラウド・インフラ・セキュリティなどのIT知識
現在の情シスでは、
クラウド、ネットワーク、ID管理、セキュリティ、SaaSなど、幅広い技術領域に関わります。
すべてを一人で深く理解する必要はありませんが、自分の専門領域を持ちながら、周辺技術についても理解できる人材は強みを発揮しやすいでしょう。
4.DX・業務改善
最近では、単に社内システムを維持するだけでなく、ITを活用して業務そのものを変えていく役割も情シスに求められています。
例えば、
- SaaS導入
- 業務プロセス改善
- RPA・ローコード
- データ活用
- AI活用
などです。
「システムを導入した」という経験だけではなく、
その結果、業務がどう変わったのか
まで説明できると、事業会社での仕事との親和性を伝えやすくなります。
5.事業部門とのコミュニケーション
そして、個人的に非常に重要だと思っているのがこの能力です。
情シスの仕事では、ITに詳しい人だけを相手にするわけではありません。
営業、経理、人事、製造など、さまざまな部門とコミュニケーションを取りながら仕事を進めます。
そのため、
「ITは事業目標を達成するための手段である」
という考え方が重要になります。
すべてのスキルを持っている必要はない
ここまで読むと、
「こんなに全部できないと情シスには転職できないの?」
と思うかもしれません。
もちろん、すべてを経験している必要はありません。
企業によって情シスに求めている役割は大きく違うからです。
例えば、
「クラウド基盤を強化したい会社」
と、
「DXを推進したい会社」
では、求める人材も違います。
重要なのは、
自分がこれまで経験してきたことと、応募先企業が抱えている課題との接点を見つけること
です。
これは転職活動をするときに、ぜひ意識してほしいポイントです。
社内SE求人における面接時のポイント

ここからは、私自身が情シス人材の採用に携わってきた経験からお話しします。
もちろん企業や求人によって異なりますが、情シスの面接では技術経験だけでなく、どのような考え方で仕事をしてきたのかも重要だと感じています。
例えば、同じプロジェクト経験を説明する場合でも、
候補者A
「基幹システム刷新プロジェクトでPMを担当しました」
という説明と、
候補者B
「事業拡大によって既存システムでは業務を支えきれなくなったことを背景に刷新プロジェクトが立ち上がり、その中で私はPMとして○○を担当しました」
という説明では、受ける印象が違います。
後者の方が、
「なぜそのプロジェクトが必要だったのか」
まで理解して仕事をしていたことが伝わります。
情シスではITそのものが目的ではありません。
ITを使って事業や業務をどう良くするか
が重要です。
そのため面接でも、
何をやったか
↓
なぜやったのか
↓
自分は何を担当したのか
↓
どんな成果につながったのか
という順番で経験を整理しておくと、自分の強みを伝えやすくなります。
SIer・SESから情シスを目指すなら、経験を「事業会社の言葉」に置き換える
これは特にSIerやSESから転職する方に意識してほしいポイントです。
例えば、
「AWSを構築しました」
「ネットワークを設計しました」
「ERP導入プロジェクトを担当しました」
だけでは、技術経験の説明で終わってしまいます。
そこで、
「AWSへの移行によって何を改善したのか」
「ネットワーク刷新によって事業上のどんな課題を解決したのか」
「ERP導入によって業務がどう変わったのか」
まで考えてみてください。
これまでの技術経験を、事業・業務への貢献という視点から棚卸しすることが、情シスへの転職準備になります。
情シスへの転職を考えたら、まずキャリアを棚卸しする
いきなり求人に応募する必要はありません。
まず、
「自分にはどんな経験があるのか」
「その経験は情シスでどう生かせるのか」
「次の会社では何を経験したいのか」
を整理してみることをおすすめします。
dodaの2026年6月のレポートでも、社内SE経験者の転職理由として、待遇改善だけでなく、より積極的にIT投資を行う環境で成長したいというニーズが挙げられています。
また、在宅勤務やフレックスタイム制度など、柔軟な働き方を重視する傾向もみられます。
つまり、転職を考えるときは「社内SEになりたい」だけではなく、
自分は次の会社で何を実現したいのか
まで考えることが重要です。
一人で整理できない場合は転職エージェントを活用する方法もある
キャリアの棚卸しを一人で行っていると、自分では当たり前だと思っている経験を、強みとして認識できないことがあります。
そのような場合は、転職エージェントを活用する方法もあります。
転職エージェントでは求人紹介だけでなく、
- キャリアの棚卸し
- 職務経歴書の作成・添削
- 面接対策
- 求人企業の情報提供
などのサポートを受けられる場合があります。
特に初めて事業会社の情シスへ転職する場合は、自分の経験がどのような求人で評価されるのかを知るために相談するという使い方もできます。
情シス/社内SEへの転職におススメな「転職エージェント」4選
①IT業界での経験を生かして転職したい
IT職種・業界に特化した転職相談サービスです。
SIerやSESなどでIT経験があり、その経験を生かした転職を考えている方は、IT業界に詳しいサービスを選択肢に入れてもよいでしょう。
- IT職種・業界に特化し、〇〇な仕事がしたい!という技術者の方への転職相談サービスを展開
- アドバイザーはIT業界経験者で、売上数字のみではなく相談者の方からの声をアドバイザーの評価として社内運用とするなど、求職者に寄り添ったサービスを展開
②社内SEの求人を中心に探したい
社内SEに特化した転職サービスです。
「次も社内SEで働きたい」「SIerから事業会社へ移りたい」など、社内SE求人を中心に探したい人にとって選択肢の一つになります。
③エンジニアとしての経験・専門性を生かしたい
ITエンジニア経験者を対象とした転職サービスです。
技術経験を生かしながら、社内SEを含めて今後のキャリアを検討したい場合の選択肢になります。
- “ITエンジニアが利用したい転職エージェントNo.1” ※1に選ばれるITエンジニア経験者専門の転職エージェント
- 高い専門性を持つアドバイザーがキャリアの選択肢を洗い出し、 5000件以上のハイクラス求人の中からご登録者様のパーソナリティや志向性に沿い、理想の求人を提案
④まず幅広く求人を確認したい
社内SEの求人数が多いことに加え、幅広い業界・職種を扱う総合型の転職エージェントです。
社内だけに限定せず、自分の経験でどのような求人があるのか幅広く確認したい場合に利用する方法があります。
- 業界最大級の非公開求人数を保持し、各業界・各業種に精通したキャリアアドバイザーが、求職者の希望やスキルに沿った求人を厳選して紹介
- 提出していただく職務経歴書・履歴書などの書類の添削、独自に分析した業界・企業情報の提供や、志望企業への推薦など様々な転職サポートを行ってくれます
転職するか決めていなくても、求人を見る意味はある
ここは個人的に大切だと思っています。
転職サービスを利用することと、実際に転職することは別です。
今の会社に残る可能性があるとしても、
「自分の経験なら、外ではどのような仕事や年収の求人があるのか」
を知ることは、今後のキャリアを考える材料になります。
求人を見た結果、
「今の会社でもう少し経験を積もう」
という結論になることもあるでしょう。
逆に、
「自分の経験をもっと評価してくれる環境がある」
と分かることもあります。
転職する・しないを最初から決めるのではなく、まず自分の市場価値や選択肢を知るという使い方でもよいと思います。
まとめ:情シスへの転職では「IT×事業」の視点が重要
情シスへの転職では、ITスキルだけでなく、
「ITを使って事業や業務にどう貢献できるか」
という視点が重要です。
特にSIerやSESから情シスを目指す場合は、これまで担当してきたプロジェクトについて、
何をやったのか
だけではなく、
なぜ必要だったのか
自分は何を担当したのか
事業や業務にどんな成果をもたらしたのか
まで棚卸ししてみてください。
これまでの経験と応募企業が求めている役割との接点を見つけることが、情シスへの転職を考える第一歩になります。
また、一人では自分の経験を整理しづらい場合は、転職エージェントなど第三者の意見を聞きながら、自分の市場価値を確認してみる方法もあります。
そして、
「情シスの仕事そのものがきつくて転職したいのか」
「今いる会社の環境がきついだけなのか」
によっても取るべき選択肢は変わります。
現在の働き方に悩んでいる方は、こちらの記事も参考にしてください。
→ 社内SEはやめとけ・きついと言われる5つの理由|現役情シスが実態と向いている人を解説
最後に
他のセキュリティ関連の記事ならびに、情シスのキャリアなどIT技術以外の記事もありますので、もしご興味あればご参照ください。
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