情報システム部門に所属している中で、コンピュータの運用で導入から運用終了までまったく何の問題も発生しないということはありません。
皆さんも日々、運用されている中で、操作ミスや安易なバージョンアップなどが原因で問題が発生しその対応をされたことはあるのではないのでしょうか?
その時、原因を知るために活用するのが、「SysLog」です。このSysLogを活用することで、システム上で何が起きているのか把握することが可能になります。本記事では、この「SysLog]について解説していきたいと思います。
SysLogとは?
SysLogとはSystem Logging Protocolの略で、システムのログまたはイベントメッセージをSysLogサーバーと呼ばれる特定のサーバーに送信するために使用される標準プロトコルです。主に、監視と調査のために複数の異なるIT機器から様々なデバイスログを収集するために使用され、SysLogメッセージはUDPまたはTCPポート番号の514を使用してSysLogサーバに送信されます。
このプロトコルは、ルーター、スイッチ、ファイアウォール、一部のプリンターやスキャナーなど、ほとんどのネットワーク機器で有効になっており、SysLogはUnixおよびLinuxベースのシステムと、Apacheを含む多くのWebサーバーで利用できます。
SysLogの利用目的
様々なシステムのログやイベントメッセージを収集できるため、企業においてはネットワーク全体の監視を行う目的で、このSysLogを活用しています。
特に以下の3つの観点で利用しているケースがあります。
- セキュリティ監査
- アプリケーション監視
- ネットワーク全体の監視
セキュリティ監査
監査サイクルの際に1回のログインしかしないようなリモートスイッチが突然ログインを試みるようになったら確認の必要があります。このようなタイプのデバイスはSysLogサーバーに認証イベントが転送されるため、問題をすばやく察知することができます。
アプリケーション監視
CPUやメモリの使用率の上昇は他の監視方法でも簡単に検出できます。
しかし、ログに記録されたイベントを見ることで、多くの問題の可能性に気づくことができるため、アプリケーション監視のために活用するケースがあります。
ネットワーク全体の監視
ネットワーク統合監視ツールを使って、ネットワークで発生していることの概要を把握できるようにします。
Syslogを活用するためのツールの選び方
Syslogを活用するためのログ管理ツールにはさまざまなものがあります。ツール毎に提供機能が異なるため、管理者の要件によって適切な製品を選択する必要があります。
選定時に気を付けるポイントは大きく2つになります。
- 監視機能を重視するかログ管理機能を重視するか?
- ログ管理の対象範囲
監視機能を重視するかログ管理機能を重視するか?
監視機能を重視した要件の場合は、SysLogに関してはリアルタイムに特定のイベントを検知するようなツールを、ログ管理機能を重視した要件の場合は、長期保管、解析する機能に優れたツールを選定する必要があります。
ログ管理の対象範囲
ログ管理の対象範囲もサービスによって異なる場合があるので、サーバーやネットワークのパフォーマンス監視をはじめとした様々な監視機能を搭載しているが確認する必要があります。
まとめ
本記事では、SysLogについて解説していきました。企業のIT環境のトラブルを防ぐためには、SysLogの活用は有効です。
これを機にSysLogの活用を検討してみてはいかがでしょうか?
最後に
他にもセキュリティに関する記事や、情シスのキャビジネススキルに関する記事もありますので、ご興味あればご参照ください。
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